神奈川フィルハーモニー管弦楽団不当解雇地裁勝利判決神奈川県職労連声明

 提案・声明・見解

 2015年11月26日、横浜地裁は神奈川フィルが行った神奈川県職労連県公務一般労働組合員である杉本・布施木両名の不当解雇に対して、解雇権の濫用と認め、解雇は無効であり労働契約上の権利を有する地位にあることを確認し、解雇から本日までの賃金の支払いを命じる判決を下しました。

 昨年7月の神奈川県労働委員会の勝利命令に続く勝利判決であり、神奈川フィル当局が主張していた演奏技術の低下や業務命令に従わなかったことを事由とした解雇の正当性は横浜地裁によって完全に否定されました。

 事件発生以来、神奈川県職労連は、住民、神奈川労連、神奈川自治労連、国民救援会などともに、「杉本さん・布施木さんの解雇を撤回させ、神奈フィルを良くする会」を結成し、両名の解雇撤回と職場復帰、神奈フィル運営の正常化のために闘ってきました。この間、この争議を支えて頂いた全ての方々にこの勝利判決を報告するとともに、改めて御礼申し上げます。

 本解雇事件は、もともと楽団運営を私物化した一部理事に対して、異を唱えて県公務一般労組神奈フィル分会を結成・加入した両名に対し、当局が異論を挟むものを排除するために企てたもので、でっち上げや処分事由に当たらない内容を持って、解雇を強行した労働者敵視、組合潰しのための不当解雇事件です。

 今回の地裁判決では、組合潰しのために解雇が行われたことについては、認めるに足らないという判断をしているなど、県労働委員会が組合介入の不当労働行為と断じているのに比べ不十分な点もありますが、それを除いても解雇は不当であると認定しています。

 また、この闘争を通じて神奈川フィル当局が楽団員を軽視した運営を続けていること、経営が厳しく赤字解消のために神奈川県知事が先頭に立って寄付金を募るブルーダル基金運動が展開されたにも関わらず、役員報酬は2006年度比で3.5倍にも膨れ上がっていることなど、県民の財産である神奈フィルの運営が極めて問題のあるものになっていることを明らかにしてきました。

 今回の判決と県労働委員会の命令を受けて、神奈川フィル当局は運営方針を見直し、両名を速やかに職場復帰させるべきです。また、神奈川県は神奈川フィルを公益法人認定した監督責任があるばかりでなく、多大な税金を神奈川フィルの運営に投入し、評議員の派遣も行っています。不当解雇であるという判決が下った今こそ、神奈川県は速やかに神奈川フィルの不当労働行為の調査と是正指導を行うべきです。

 神奈川県職労連は「杉本さん・布施木さんの解雇を撤回させ、神奈フィルを良くする会」とともに、両名の職場復帰と神奈フィルの民主的運営を実現するために引き続き奮闘するものです。

弁護団声明 ・杉本さんから ・布施木さんから

2015年11月26日

神奈川県職員労働組合総連合

勝利判決

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