県政散歩(1711)


散歩の様子

 神奈川の悲劇は知事が、まったくといっていいほど危機感を持っていないことだ。知事は、それこそ自信をもって語気強く神奈川県は「沈みかけた船だ」とたたみかける。その確信をもった言い様からすれば悪質なデマかとも見える。

 政権交代を間近にした2009年7月、米国ウェブサイトでブロガーが、麻生首相について「沈みかけている船の船長のようだ」と言った。さらにブログは政権(船)の今後について麻生首相は何の手も施すことができないだろうとまとめている。実際、ブロガーのいうとおり政権交代が実現し自民党政治が沈没した。

 まともな政治家なら沈みかけている船へ乗ることは勧めない。ましてや自らを沈没寸前の船長であると誇らしげに語る姿も想像できない。有能な船長はいたずらにパニックを誘発するようなことは言わないし、沈没間際なら下船のタイミングを見極め乗客の安全確保に全力をそそぐものだからだ。9月28日、県会常任委員会に出先の廃止や補助金・助成金の凍結リストが出た。知事は大きく舵をきり、制御能力のすべてを住民恫喝と不安を煽ることに邁進している。その先になにがある。

 知事は県民生活を沈没させようとしているのか。荒海に県民を放り出すような船長を前に、まだ無能な船長と揶揄された麻生元首相でさえまぶしく映る。

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