県政散歩(1707)


散歩の様子

 これでは財政再建など委員諸氏の眼中にないことを示していないか。

 7月18日の第3回神奈川臨調での議論。これまで2回の議論はそれなりに筋がとおっていた。それは、無知を装い県が行ってきた事業を不要と決め付け乱暴にカットしていくというストーリー。政令市の教職員人件費負担を県がしなければ5千億円も収入が増えるかのように言ったり、市町村への補助金も余裕がある時のお小遣いのように扱ったりがその例だ。

 しかし、今回は違っていた。地方財政について県債発行残高3兆5千億円のうち実に1兆6千億円をしめる臨時財政対策債について制度の運用に関わる専門家らしき委員の話が続く。それは、臨財債が地方交付税の振替財源であり、制度の上からも県の借金ではないと確認しながら「臨財債の償還、だれも国からくるとは思ってないでしょう」とし、「戻ってこないとして考えろ」と注文をつけたのだ。国の借金の一部を県や県民に押し付け、さらに国の約束破りの責任回避のために一兆円以上の債権放棄を県に迫る心はなにか。

 今回の臨調を評して、あまりに質の低い芝居を見せられて辟易(へきえき)するという職員の声を聞く。他方で、乱暴な議論は、狡猾に県政の破壊にむかって突き進む自由至上主義者の特徴だとの声も。いや両方だよという県民の声に背筋が寒くなる。

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