不当!神奈川フィル仮処分申請を却下(横浜地裁)

「神奈川フィル不当解雇、撤回させよう!」トップ

 12月20日、横浜地裁第7民事部の新谷祐子裁判官は、神奈川フィルの杉本さん布施木さんの地位保全賃金仮処分申立てを却下しました。
 この決定は、債務者である神奈川フィル当局の主張のみを一方的・全面的に採用し、争点となっている事実・実態を何等検証していない、極めて不当・異例の驚くべき決定です。

 2012年4月11日付の解雇通知により解雇された二人に共通する解雇理由は「演奏技術が著しく低く、それについて指揮者から指摘を受けていること」「演奏中や練習における態度が悪い」「事情聴取等呼び出し、始末書の提出等の要請に応じなかった」であり、布施木さんに対しては「沖縄公演の際に時と場所を弁えない発言により文化庁との間に信用問題を起こし楽団の品位を汚し名誉を傷つけた」こと、杉本さんに対しては「コントラバスの黒木主席奏者に対し精神的ダメージを与え退団したことにより楽団に損失をもたらした」ことが挙げられています。

 新谷祐子裁判官は、何等具体的な事実の検証を行わず、債務者である神奈川フィル当局の具体性に欠ける抽象的な主張のみを一方的に採用し決定を出しています。しかし、本来、解雇を行う場合は、解雇事由に相当する事実の存在およびそのことに対する改善の努力をしてもなお改善が図られない場合に成り立つものであり、裁判所の決定は解雇権の乱用を促進しかねない重大な問題です。

 12月21日、杉本さん布施木さんの解雇を撤回させ神奈川フィルを良くする会は緊急集会を開催し20人を超える支援者が参加しました。

裁判だけに頼っていてはいけない運動こそが大切

■田淵弁護士「向こうの主張をそのまま写している。何を持って技術が低いとするのか明確ではない。いずれも具体的指摘が無く抽象的なもの。沼尻指揮者から「技術が低い」と陳述書が出ている訳でもなく、「沼尻指揮者がそのように言ったと聞いた」というもの。これでは上司が認めれば解雇できてしまう。これまでと比べてかなり乱暴な決定。」

■布施木さん「4月からハローワークからのお金も出なくなる。働きながらのとりくみとなるが、皆さんに助けていただきながら、たたかっていきたい。」

■杉本さん「神奈川フィルの問題は世間に出れば通用しないことと思っていたが、認められてしまう。支援して下さっている皆さんに申し訳ない思いでいっぱいです。理不尽な世の中だ。一人の力は弱い。皆さんの知恵を結集して、デッチアゲや捏造に対して、正しいことは正しいとしたい。食べて行かなければならない、同時にたたかっていかなければならない。みんなでひとつになって世の中を良くしていく。最大公約数でたたかっていきたい」